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幼保の現職研修の課題:点から面へ(2-1)

-白梅学園大学大学院・特任教授無藤隆先生のFace Book拾い読み

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幼保の現職研修の課題:点から面へ(2-1)

現職の先生方の研修体制の整備ということが課題になります。これについては、どちらかというと、厚生労働省がリードしているわけですけれども、それに追随する形で幼稚園教諭といいますか、文部科学省、内閣府も一緒に形をつくりつつあります。まだキャリアアップ研修の体制が追いついてい
なくて、全国の都道府県による違いがすごく大きいように思うのです。今のところは、例えばあるところでは、研修しようとしまいとお金が来るということに終わっていてというか、それに伴って研修体制を少しずつ整備していっていると思うのです。一応厚労省の目標としては、あと3年ぐらいに、ひもづけするといいますか、研修を出てお金を出すという形を全国的に確実につくると。県によっては、それをもう早々に、割と小さい県ならできますので、来年度ぐらいからかなり細かくやっていくということになると思います。政令市などでもかなり丁寧にそれを始めているところも出てまいりました。

ただ、幼稚園教諭の問題としてはいくつか大きな課題があります。1つは、免許更新講習との関係をどう整備するかということです。免許更新講習は法律で決まっておりますので、簡単にやめるとか変えるというわけにいかないのですけれども、例えばそういうこと。それから、それと並行する形で10年次研修とか初任者研修とか、場所によっては5年次研修とか、管理職とか、いろいろなことをやっておりますけれども、そういったことを整理する必要があります。免許更新講習のあり方も、本年度、少し変えてきましたけれども、恐らく、来年度、さらに変えるのだと思います。いろいろなものと重ねていくことを比較的認めていこうという方向に動くと思いますけれども、それを幼児教育側として丁寧にみながら、発言をうまくやらなければいけないと思っております。

どうしても、文科省の体制というのは義務教育中心にできているので、教員養成についても、私も委員
でしたけれども、ぼんやりとしていると、気づくと幼稚園教諭の話がないのです。小中学校の話になっていて、幼稚園教諭としてどうするとか、幼稚園の場合には公立だけではなくてというよりも、民間の割合が非常に多いわけですけれども、私学はどうするというのが、小中学校の場合の私学はどうするという話とは重みが全然違います。さらに、文科省としては保育士にまで口は出しませんけれども、幼稚園教諭の場合には保育士との連動を考えなければいけないし、認定こども園もありますので、結構難しいのですが、そういったことを整理する必要があるわけです。

特に初任者、それから大体5年から10年のところの研修、ミドルリーダー、その上の主任レベル、あるいは園長レベルの管理職レベルということです。このあたりについては、保育教諭養成課程研究会が、大体文科省委託でありましたけれども、調査を重ねてまいりまして、報告書を出しているわけですが、一応それがベースになると思っています。それを使いながら、そして、厚労省といろいろな協力をしながら、その体系をつくるということです。これについては、理念的につくってもしようがないので、この職を何歳というよりも、何年でやめるかとか、復帰するかとか、そういうことの現実を見定めながらやらなければ意味がないのです。そういう意味で、例えばミドルリーダーについても、幼稚園の場合には5年から10年とかなり早目からミドルリーダーという言い方を使っていますけれども、いずれにしても、もうちょっとそれを法令的なところまで整備する必要があるのではないかと思っております。

それとともに、主任とか副園長とか園長などについての研修をどこまで進めていくかです。これは保育所のほうの園長といいますか施設長と重なってまいりますけれども、その人たちへの研修の義務づけをどの程度やれるのか。これは内閣府の子ども・子育て会議の中でも、例えば認定こども園の園長研修の義務づけという提案もありましたけれども、幼稚園も保育所も、なかなか受け入れられないでいます。何せそれぞれの全国団体がそういうことをいうと必ず反対するのです。別に代表委員が個人的に反対ということでもないと思うのですけれども、園長というのはさまざまな人がなっておりますので、必ずしも保育現場をわかってやっている人ばかりではない、いろいろな経緯でやっています。そういう人たちの中に、もちろんしっかり学ぶ方もいるのですけれども、そうでない方もいるようにみえます。そのあたりは逆に研修の必要性があるということになりますが、そのあたりをどうしていくか。

やる以上は、どういう形でやっていくかということが課題になります。どういう形でやっていくかというときに、ワークショップをやるべきだとか、各園でもやろうとか、当然この会でもいろいろ議論しているわけですけれども、今一番大きな課題は、遠隔教育といいますか、例えば北海道ではどうするかみたいなことです。そうすると、集合研修というのは非常に難しいわけですので、インターネットを使うなりビデオを配信するなりということが必要になります。これは別に北海道ほど広くないというか、狭いところでも、全保育者が何らかの研修をするというときに、時間帯の問題や集まる手だて、場合によってはそのための旅費が多少ともかかるわけですけれども、それをどうするかということを考えたときに、インターネットを使った何らかの研修の仕組みを導入しなければいけないはずであります。これについては、既に大学、高校などでインターネットを使ったやり方や放送大学もあるわけですけれども、おそらくそれが広がっていくと思うのです。そこでは、研修をして、特に義務研修とかキャリアアップ研修の場合には出席をとらなければいけませんけれども、それをどうするか。だから、ただ出席ではなくて、何らかのテストを、レポートチェック程度でも、それが多分求められるわけでありますけれども、それをどうやっていくかというのは、もちろん放送大学のような大規模な形ではかなり進んできましたけれども、考えていく必要があると思います。

特にこれからの4、5年でいうと、こういう講演スタイルの研修の相当数がネットに移っていくと思いますので、それをどうしていくか。そうすると、今度は逆に集合研修というものは、ただ全員にお話しするというのはある意味ではもったいないことになるので、ワークショップとか、さらにもう少し細かくいえば、各園レベルまで実際の保育に即した研修をどうつくっていくかということが課題になります。

※(2-2)に続く