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幼保の現職研修の課題:点から面へ(2-2)

-白梅学園大学大学院・特任教授無藤隆先生のFace Book拾い読み

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幼保の現職研修の課題:点から面へ(2-2)
※(2-1)の続き

これについては、うちの市ではこうやっているとか、うちの園ではこうやっているとかというのはもちろんあるわけですけれども、それを全国化できるモデルになるのかということが大きな課題です。うちの市はみんな頑張ってよくやっていますという、個々人の努力、頑張りに委ねている限りは広がりませんので、それほど努力しなくてもできる仕組みづくりが求められると思うのですが、これが大きな課題になっていくのではないかと思っています。

それを通して、次の課題は、その中身の改善にどうつなげていくかということになるのだろうと思います。そのための手だて、改善のやり方といいますか、それはここ何年かで随分広がってきたわけです。いわゆるドキュメンテーションをつくるとか、公開保育するとか、保育を見ての話し合いの形とか、さまざまな助言活動というのは広がってまいりました。これもやはり課題としては、それを全ての園に広げていくことがどこまでできるかということになると思うのです。優良園は頑張っているよねということを超えて、そうでもないところでもやるような形にどうもっていけるのかは、大きな課題だと思います。そういう意味では、それぞれの保育をよくしていく努力をしている園というものが点として今はあるわけですけれども、それが面として、ある地域全体がそういうところに向けていろいろやっているね、という形にどう広げられていくかということが課題だと思うのです。もちろん、うちの園はそういうことはしないとか、考えが違うとか、このようにやるのだという独自の理念や主張のところも、だめだとはいいにくいですから、別にあってもいいのですけれども、多分3分の2から4分の3は、そこまで独自の主張が強いわけではないですから、そうすると、幼稚園教育要領なり保育指針をある程度参考にしながら、それぞれの園なりによくしていくという方策が求められると思います。

そのために行政的に国として広げているのが幼児教育センターの設置であります。最新の数字を知りませんけれども、多分、全国の都道府県の半数以上で何らかの設置に入ったか、あるいはこれから入るというところに来つつあると思います。それも来年度、文科省としても多少予算をつけていくと思います。その幼児教育センターのあり方も、どうやらさまざまで、これも情報交換とか整理が必要だと思います。今の時点でアンケート調査をして集めたからといって、それがいい情報かは難しくて、まさに立ち上げ中のところ、模索中のところが多いので、もしかすると、もっとよくするために半年後にやり方を変えていくということもあります。

もう1つ心配しているのは、大体、国がつける予算というのは時限――時限というのは数年という意味ですけれども、それがそのまま続くかどうか、よくわからないところがあるのです。そうなりますと、各自治体が自前のお金でやらなくなるのですが、それが続くのかどうかということは大いに懸念されて、来年度あたりが、この事業が広がるのか、あるいはどちらかというと勢いを失うのか、勝負どころではあると思います。それに対して、当然ながら、委員とかアドバイザーとかスーパーバイザーとか助言者とか、いろいろな形で養成校に関係する先生方が関与することは非常に多いだろうと思います。そういう意味で、幼児教育センターはどうあるべきか、ということについても、いろいろな都道府県によってやり方がかなり違うのですけれども、ぜひ情報を手に入れながら、それぞれの場で助言などについてご努力をしていただければと思います。
こういう新しい試みについて、どれが正解ということはないですし、都道府県、市町村によって事情はさまざまです。幼稚園、保育所の割合とか、公立、私立の割合とか、どれぐらい県がかかわるのか、市がかかわるのかとか、それぞれの県や市の人口の規模や面積の規模によっても変わるわけでありますので、そういう意味でローカルなところでどのようにしていくかということを考えていく必要があります。また、幼稚園、保育所に限らず、認定こども園が増えていっている地域と、東京のようにまだまだ少数であるような地域とは事情が違いますので、そのあたりでどうしていくかということを、ぜひお考えいただきたいと思うのです。