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保育指針解説・幼児期の終わりまでに育ってほしい姿

-白梅学園大学・無藤隆教授がノートを公開

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保育指針解説・幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
※無藤 隆教授が、2018年12月28日金曜日にノートを公開しました。

保育所保育指針
4 幼児教育を行う施設として共有すべき事項
⑵ 幼児期の終わりまでに育ってほしい姿
次に示す「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、第2章に示すねらい及び内容に基づく保育活動全体を通して資質・能力が育まれている子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものである。

幼児教育とは保育所の保育を含めて、幼児の資質・能力を育成します。それは小学校以降にも伸びていくのですが、幼児期になりにある程度のところまでは育ちます。乳幼児期にふさわしい資質・能力のあり方を明記し、それを育成して、乳幼児期の充実を図り、合わせて小学校以降の成長の基盤をしっかりと作ろうというのです。それは小学校を下に降ろすことでもありませんし、一定のテストで測ろうというのもでありません。実際の保育場面における子どもの力を発揮する様子を見て、捉えていこうというのです。

特に幼児期の終わりは保育所として責任を持てる最後の時期になります。そこを1つのめどとして、子どもの育成をしっかりと進めるために、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿が10の姿としてまとめられました。これは5つの内容領域の内、特に年長児に伸張が著しいと思われるものを取り出したものですが、領域すべてをカバーしているので、ある程度の網羅性がありますが、すべてというわけではありません。

「育ってほしい」と書いているのは、確実にあるところまでできることを目指しているのではないということを意味しています。伸びていく方向であり、ある程度まではできるようになるということであり、でも、さらなる伸びは小学校以降に委ねるということでもあります。確かに全部をきちんとやれるようになるのはどの姿も難しいことでしょう。小中学生でもなかなか完全にはできません。でも、幼児なりに少しはできてきているはずで、それを捉えようというのです。しかも、これらの姿はかなり幅を持った書き方をしているので、相当数の子どもは多少ともそのような姿を示すことが想定できます。

同時に、年長の後半にいきなりこういう姿が生まれるわけではありません。乳児そして3歳などから徐々に育ち、年長児あたりで10の姿の育ちが明確になってくるのです。特定の活動があって、そこだと10の姿の1つが明確に現れるというのではありません。以前から少しずつ育ってきて、ある活動では高い姿を、別な活動ではやや未熟な姿を示すのも当然です。それらを数ヶ月にわたり眺めながら、保育士が保育指針の資質・能力や内容領域さらに10の姿の用語と自分の言い方を合わせながら、子どもの力の発揮されている姿を具体的に記します。10の姿を1つずつ記述してもよいのですが、合わせて書いても構いません。特に、実際の活動ではいくつかの姿が同時にまた一続きで出てくることが多いので、合わせる描き方も自然です。

この10の姿を保育士が意識して、その方向へと育てることはこの時期の子どもの力を一層伸張させていきます。それがこの時期にふさわしい体験を示すものだからです。子どもの実際の様子を10の姿を参考に記述して、それが指針の姿と対比して、検討することも意味があります。子どもによる違いも大きいでしょう。よりよく伸びているか、特にその持続し伸びていく方向が正当なものとなっているかを判断し、それに向けての指導の計画を検討します。

子どもが保育所の生活で示す姿をまとめていき、これを同僚同士で検討しましょう。また保護者に子どもの育ちとして提示もすることができます。

小学校への接続という意味で、これを小学校側に送ったり、説明したりすることで、小学校として幼児期の育ちを活かした指導の発展を行うようにしていくことが期待できます。