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保育指針における評価とは・・・3-2

-白梅学園大学・無藤隆教授がノートを公開

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《保育指針における評価とは・・・3-2》
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イ 保育所の自己評価

( ア ) 保育所は、保育の質の向上を図るため、保育の計画の展開や保育士等の自己評価を踏まえ、当該保育所の保育の内容等について、自ら評価を行い、その結果を公表するよう努めなければならない。

( イ ) 保育所が自己評価を行うに当たっては、地域の実情や保育所の実態に即して、適切に評価の観点や項目等を設定し、全職員による共通理解をもって取り組むよう留意すること。

( ウ ) 設備運営基準第36条の趣旨を踏まえ、保育の内容等の評価に関し、保護者及び地域住民等の意見を聴くことが望ましいこと。

保育士の自己評価がいわば保育士また園としての改善の努力であるのに対して、保育所の自己評価はもっと公式の意味を帯びていて、例えば、年に1回行い、結果を公表し、保護者や地域からの理解を求めるという働きを持っています。保育所に課せられた使命をきちんと果たしているかということへの説明責任に応えることです。

それは施設長が保育所の責任者としてなすべきことですが、しかし、保育所の保育は保育士その他の全職員により進められており、それを施設長がすべて把握できるわけではありません。そこで、保育士の自己評価や園の保育のあり方への意見などを参考して、園としての自己評価に向けて情報を集めます。特に保育士などが園全体としてまたその中で自分がどう保育を進めているかの評価を行い、それらを参考にします。全部うまくいっているということは通常ないので、よいところやうまくいかないところや改善を図っているところなどを整理します。

日頃からたくさんの資料が得られ、集積されてもいます。保育課程(全体的な計画)や長期・短期の指導計画、日頃の保育の見直しの資料、さらに様々な調査資料、時に保育所に寄せられる苦情や要望、などを集め、全体を捉え直します。そのための時間をどこかで年度末に近づいたら長く取るとよいでしょう。施設長以外に主任などを交えての検討もあるでしょうし、園の全職員が集まっての検討を行うところもあります。保護者に尋ねることも大事です。アンケートもよい手立てですが、直接に尋ねたり、あるいはおりに触れて保護者から出てくる感想や意見も参考になります。

もちろん何より保育は子どもがどう感じ、どう育つかにより評価されるべきものです。といって、適切な客観的なテストというものがあるわけではありませんので(発達検査はあってもそれが保育の影響かどうかを見定めるのが難しい)、子どものその都度の姿や振る舞いや表情から生き生きと様々なことに気付き、工夫し、意欲を持ってがんばっているかどうかを捉えます。保育者の関わり方や環境構成などはある程度客観的に専門家が把握する仕組みもありますが、多くの園ではそういう専門家の立ち入った観察は難しいでしょう。

自己評価のための項目をある程度世の中で行われているものを参考にまたそこに園の理念を反映させて作っておき、それに沿いながら、全員で評価するやり方もあります。それにより職員や施設長の見方ではあるものの、ある程度客観化することも可能です。毎年同じということではなく、数年掛けて一巡するように、年ごとに重点的に捉える面を決めて、評価していくやり方もあります。

保育所について第三者である専門家が評価するやり方もあります。実際の保育に即してというより、関係する書類(全体的な計画や指導計画やその他)を整えているかを主に捉えるやり方なので、園の保育の質と直結しないところが難点です。でも、その項目などを参考にしながら、また種々の専門家による評価尺度などを取り入れて、園での自己評価項目を作ることも多くなりました。それと個々の子どもの活動とそこでの保育士の関わり方を事例的に集めて検討することを組み合わせていくことも必要でしょう。

いかにして園の保育の全体像を描き出すか。さらにそこからどのように園のあり方を改善すべきかを計画として案出し、実行に向けていくかが園の自己評価の最大の目的です。

※3-3に続く