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保育指針における評価とは・・・3-1

-白梅学園大学・無藤隆教授がノートを公開

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※無藤 隆教授が、2018年12月25日火曜日にノートを公開しました。

《保育指針における評価とは・・・3-1》

保育所保育指針の解説

3 保育の計画及び評価

⑷ 保育内容等の評価

ア 保育士等の自己評価
( ア ) 保育士等は、保育の計画や保育の記録を通して、自らの保育実践を振り返り、自己評価することを通して、その専門性の向上や保育実践の改善に努めなければならない。

( イ ) 保育士等による自己評価に当たっては、子どもの活動内容やその結果だけでなく、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などにも十分配慮するよう留意すること。

( ウ ) 保育士等は、自己評価における自らの保育実践の振り返りや職員相互の話し合い等を通じて、専門性の向上及び保育の質の向上のための課題を明確にするとともに、保育所全体の保育の内容に関する認識を深めること。

保育の質をいかにして上げていけばよいのでしょうか。もちろん質をよくしていく前提として十分な人員や施設・設備が整い、子どもを余裕を持って保育できる体制が必要なのですが。そして残念ながら、その点で我が国の保育所の体制は改善されてきていますが、十分とは必ずしも言えません。そうであっても、日々の保育を行いながら、その保育を保育士自身が見直しながら、どうすればもっとよくなるかを考えて保育を進めていってほしいのです。それが保育士が保育の専門家であると称されている理由でもあります。

そのような保育を進めつつ、それをよくしていくための振り返りと見直しの営みを「自己評価」と呼びます。それは保育士として優れているとかそうでないとかランク付けすることでは全くなく、自分の保育の実践を振り返り、見直していくプロセスを指しています。実践は改善されることによりその質が上がっていくのですが、それは毎日のように保育しているその保育そのものを振り返るところから始まります。

そのために保育の一連の過程の中に、計画を立て、ねらいと内容を考えることや、保育について記録を取り、それを計画と照らし合わせながら検討し、改善点を探ることを位置づけるのです。つまり、指導計画を立てて保育を実施するわけですが、実際にやってみて、どうであってかを記録を取って、検討します。ここでいくつか実際上の留意が必要です。1つは記録を簡単なものにすることです。そうでないと、保育中にそんなに時間が取れません。簡単なメモや写真数枚程度でよいのです。それを検討するということでも、長い時間を取れるはずもありません。何とか20分程度、見直してメモを取るとか、担任同士また主任と話し合うとかくらいなら、工夫によってできないことでもないようです。その時間を使って、その記録を写真と文章で適当な紙に記し、保育士同士で共有し、また保護者に見せたり、時には子ども自身に活動を振り返るきっかけにすることも増えました。

見直すときに視点についても考えてみましょう。指導計画通りうまくいった、そうでないと失敗だった、という捉え方が大事なのではありません。指導計画通りに保育が進む必要はないのです。思いがけない子どもの反応や創意が出てこそ、保育は生きたものになるのです。指導計画に沿った活動とそこからはみだしたところの双方を捉えて、共に活かすような方策を考えて、次の指導計画を考えます。また、その両方はどういうねらいとつながるかをいわば後付けで考えてみます。その後付けのものは子どもが実際にやっていることに基づくので、現実的ですし、子どものする面白いことを反映できるので、もっと豊かなものになるでしょう。

そうして行くには、保育での子どもの活動の様子において、その子どもの好奇心や気付きや工夫や意欲の発揮を捉えて、それが幾人もの子どもでどうであったか、具体的に何をどうのようにして活動し、対象に関わったのか、子ども同士で協力したのかなどを見てみましょう。

保育の質を上げるとか、そういった一連の子どもの活動のプロセスが豊かなものになることなのです。その日の30分1時間の活動、さらにそれが翌日、翌々日、翌週と発展していき、流れとなるその過程が大事なのです。
そういう日々の保育の改善への努力を持続させている内に、保育士自身の個々の課題や縁としての課題に気付くこともあるでしょう。そういうことについては、改めて時間を取って園内研究会で検討したり、講師を外部から来てもらい、専門的に考えることも進めましょう。個々の保育士の自己評価が園としての保育力を豊かにするところへと発展させるのです。

※3-2に続く