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保育者(幼稚園教諭・保育士)養成の現在と今後(2-1)

-白梅学園大学・無藤隆教授がノートを公開

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※無藤隆教授が、2018年6月11日(月)にノートを公開しました。

《保育者(幼稚園教諭・保育士)養成の現在と今後》(2-1)

養成課程においては保育現場のことを分かった授業をしていくべきだが、保育現場で働く人たちに有益なものになっているのだろうか。教職課程全体のカリキュラムを考えないといけない。教職課程が意味をなすようにしたい。養成と現職者研修どちらにも力を入れる。

幼児教育のあり方は激変の時期にある。今後どう動くかははっきりしない。例えば保育料の無償化がどのような影響力を持つのか。幼児教育への投資が進んでいて、2兆円ほどに加え、新制度で7千億、無償化でさらに数千億投資されるわけだが、その期待に応えられているのか、その質が問われている。欧米のさまざまな研究ではエビデンスが出されているが、日本でも将来的にはエビデンスで示されなければいけない。

十分な質を保っているのか、示すデータはあるのかと国から聞かれているように思う。幼児教育保育に関わる人は十分な予算がもらってないと指摘してきていることは間違ってはいないが、それをデータで根拠づけるその本気さが問われるようになってきた。
そのあたりの課題についていくつかあげたい。

ひとつ目の前のこととして、幼稚園、保育所、認定こども園、公立、私立が一体になっていくこと。要領、指針上は9割ほど重なってきた。行政的な体制、現場実践者の集まり、そこでの研修なり、さまざまなまとまりについてはかなり地域によっては一体化してきているが、ある場所ではばらばらな体制である。幼稚園と保育所、幼稚園教諭と保育士の法制上の違いがあるという難しさがあるが、幼保の垣根は小さくなってきた。一体的にどのようにもっていくのかが求められている。幼稚園保育園、幼稚園教諭、保育士資格の統合問題は少しずつは近づくであろう。

幼稚園、小学校をどうつなげるかという接続の問題。要領の改訂の一番の問題である。自治体に投げられてきたが、自治体の対応には差がある。それについて専門家である私たちは働きかけていく必要がある。幼児教育のありかたを保ちながら小学校にどう繋げていくのか。幼稚園、小学校の先生方はどのように連携し、養成校の役割は何なのかが問われている。

3番目に、対保護者の問題が非常に大きく浮かびつつある。要領改訂の主旨については解説などが出されており浸透してきたが、それをどう保護者に理解してもらうか、保護者が資質能力の用語を理解するのではなく、それ以前からの幼児教育のあり方を具体的に納得できるようにしていくこと。現場の様子を写真で伝えたり園便りで伝える取り組みがなされているが、幼児教育のあり方を保護者に啓発していく必要がある。各園で保護者に伝えることも大事だろう。保護者向けのパンフレット、本、講演などでも伝えていき、それ以外のやり方も模索していく。教科書の基本中の基本が保護者には伝わっていないのではないか。要領指針の精神から見たときに、そこに応じているとは思えない保育実践をやっている幼稚園保育園が少なくない。そのような園が保護者の支持を受けている場合もある。我々が嘆いていればいいのではなく、それを変えていく戦略を持ちすすめていかなければいけない。

※(2-2)に続く