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子どもと保育士の持つレジリレンス:災害後の保育所保育への支援活動へのコメント(2-2)

-白梅学園大学・無藤隆教授がノートを公開

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※(2-1)の続き
《子どもと保育士の持つレジリレンス:災害後の保育所保育への支援活動へのコメント》2-2

それから、例えば、自然というふうに考えたときに、園の中に木が生えて、草花もある。ミニトマトを栽培したり、あるいは自生するかもしれません。考えてみれば、そういうものの後ろ側に、もっと自然の大きな広がりを感じながらやっているわけです。また、例えば、外から園を訪問したときに、そのつながりというだけではなくて、その保育園、いわば学校の外側に、その保育園と子どもたちを気にかける多くの人がいるんだということのメッセージだと思うんです。そういう意味で、保育所や幼稚園の中で責任を持って保育するけれども、それを支え、また園の中でやっていることの広がりの中で、いろいろな人が外にいる。自然がある。あるいは社会、文化というものが広がっている。その支えによって、あらためて保育というのは成り立っているということを感じましたし、そのようなところとのつながりをどうつくっていくかは、この園の課題というだけではなくて、例えば、東京の園の課題でもあると思うんです。どうやってその園の中を充実させるかということとともに、園の外にある人やものや、さまざまなこととのつながりをどうつくっていくかということです。

例えば、東京の都心部の園だとして、ビルのタワーマンションの下にありますね、最近は。周りはビルという中で、自然とのつながりっていうのをどう考えるか。あるいは、町の人とのつながりをどう考えるかということは、あらためて課題として考えていったわけです。

ちょっと脱線しますけど、ある都会の真ん中の園に行ったときに、ちょっとしたプランターが植えてあって、ちゃんとチョウチョ飛んでくるんです。周りは高層ビルです。チョウチョはどこに行くんだと思うんだけど、冷静に考えると、東京って結構自然公園とか公園あるんです。新宿は、マンションとオフィスビルばっかりに見えるでしょうけど、新宿御苑って広いのがあります。あそこにカラスもいるんですけど、チョウチョもいるんです。チョウチョが飛ぶ領域って結構広いらしく、やっぱり風が通るところには生き物が通うんだなと思うんですが。そういう外との通いがあるんですね。そういうものをどう考えていくかというのが一つの課題でもあります。外からの通い道が難しかった。でも、いろんな形でそれを復活させてきた中で、あらためてその大事さということを、自覚的につくっていったことがあると思います。

それは、非常に具体的なところで言うと、例えば園庭のあり方です。園庭って中庭とはまた違うのですが。普通の園庭は建物があり、園庭の塀を介して外につながりやすくなります。あるいは、お散歩ですね。お散歩って外を歩くわけです。お散歩もただ真っすぐ公園に行って帰ってくるのではあまり広がりがありません。地域の人々や、地域のさまざまな方との交流があると。

そこまで見ると、私はその絵本の問題に興味を持っており、絵本とか人形劇や、ああいう文化財を園の中に持ち込んでいくときに、さまざまな文化財をつくった人たちがそこにいて、その作者や演じる人たちとの交流。そういう意味で、つらい体験、そしてそこからの回復の中から、いろんなことをそこ以外の、例えば東京の人間を通して学ぶものもあるのではないかということをお話ししました。