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幼児期の終わりまでに育ってほしい姿と向かい方

-無藤 隆教授が、2017年8月9日にノートを公開しました。

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※無藤 隆教授が、2017年8月9日にノートを公開しました。

《幼児期の終わりまでに育ってほしい姿と向かい方》

幼児期の終わりまでに育ってほしい姿とは?
幼児期に育てていきたい「資質・能力」とは、気付くこと・出来ること、試し工夫すること、心動かしやってみたいことに粘り強く取り組むこと(学びに向かう力)です。この3つの力が保育内容の5つの領域の活動を通して育ちます。その年長の後半での子どもの具体的な様子がこの「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」です。これは乳児期から始まり年長当たりでかなり伸びて、さらに小学校に入って、指導を発展させるものです。

取り入れるポイントは
保育内容の5つの領域の主だった内容を踏まえた活動はいろいろな年齢で進めています。運動遊びも造形活動も積み木遊びもごっこ遊びも庭で草花遊びをすることもそうです。その活動は資質・能力の3つの視点で見直すのが10の姿です。子どものエピソードを取りだし、その10の姿のいくつかと比べてみましょう。

10の姿解説
①健康な心と体
心も体もしなやかに動くようにしていきます。それは生活や遊びの至る所で生じる動きを多様にしていくことによってです。しだいに何のためのその活動をするかの見通しが分かり、一々大人に言わずに自分が生活を作っていけるようにします。

②自立心
したいことがはっきりとして、それをやっていこうとする。そうすると、そこで自分なりにやらなければならないことのイメージもはっきりとして、粘り強く取り組みながら、考え、工夫していきます。

③協同性
園は集団の場です。といっても、一人の活動も数名の活動もクラスの活動も異年齢の交流もいろいろとあります。特に一緒にこういうことを実現したいねと気持が揃うと、協同が始まります。お互いの考えや思いを調整しながら、協力のやり方を学びます。

④道徳性・規範意識の芽生え
道徳性の芽生えは思いやりから始まります。相手の気持ちに共感し、してよいことと悪いことと結びつけていきます。友達同士の遊びでも世の中でも様々なルールがあり、公正なあり方のための必要性は遊びの中でルールを作る経験から分かっていきます。

⑤社会生活との関わり
園の外には家庭があり、地域の人々が暮らし、皆が使う公共施設があり、情報機器が使われます。それを園の中にいる子どもたちにも見せていきます。散歩の時に挨拶をするとか、公園を使うマナーとかです。情報には図鑑で調べることなども入ります。

⑥思考力の芽生え
何かを発見したり、作ろうとする中で、考え、試し、工夫することはつまり頭を使うことです。どうしてそうなるのだろうと仕組みを想像するようにもなります。特に友達と一緒に考え、多様な考えが出ることで理解が深まっていきます。

⑦自然と関わり・生命尊重
砂や土や水や風などの自然物と生命のある動植物の飼育栽培などを通して、自分の思うように勝手に作り替えられるものではない、独自の特徴を持った存在に気付き、そこに寄り添い大事にするようになります。愛情と不思議さの感覚が出発点となります。

⑧数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
正確に読み書きしたり、計算したりすることを目指すのではなく、その前に、子どもの生活や遊びに出てくる数量や文字などにしてしみ、感覚が育つことが大事です。環境には標識や文字は至るところにあります。数量はトランプ遊びでも出てきて、厚みを数えます。

⑨言葉による伝え合い
言葉を豊かに広げていくことが大事です。それは言葉に出会い、その時、発音のみならず、その意味を場面などの文脈から感じ取るようにします。生活で大人と対話することや絵本に親しむこと、言葉遊びをすること、友達同士で話し合い発表するなどの場面が大事です。

⑩豊かな感性と表現
心動かす出来事に出会い、子どもの考え以前の感性が動き、育ちます。自然の音の美しさや積み木の感触や立てる音、クレヨンと水彩の違いなども感性として感じ取り、それを使って表現していくことが楽しくなり、表現活動へと発展していきます。

向き合い方のまとめ
大事なことは子どものいくつもの活動の様子を具体的に保育者が記述して「姿」としてまとめてみることです。短いものでよいのですが、それを10の姿などと照らし合わせつつ、資質・能力の3つの柱の成長につながっているかを考えて、同僚同士、対保護者、さらに子どもと対話していきましょう。